7月1日現在、再び新規感染者数が増加傾向にある東京都。そんな中、小池知事は感染状況を把握するための新たな指標を発表しました。
その新たな指標にはこれまでと大きく変わる点があります。それが自粛再要請となる目安の数値を設けなくするということ。
数値を公表せずに十分に対策できるのか?と思ってしまうのですが、実際この戦略は成功するのでしょうか?
出典:https://www.nippon.com/ja/news/fnn2020062957481/
東京都が新たな指標を発表した理由
東京アラート | 休業再要請 | 6月30日時点 | |
新規感染者(1週間平均) | 20人以上 | 50人以上 | 55.1人 |
経路不明(1週間平均) | 50%以上 | 50%以上 | 55.0% |
週単位の増加率 | 1以上 | 2以上 | 1.72 |
東京都はこれまで目安の数値を上記のように示していました。表をご覧いただくと分かる通り、東京都の感染状況は6月30日時点で休業の再要請の基準を2つ超えています。
ですが今回小池知事はこの再要請への目安となる数字を設けないと発表。今後は専門家による解析を1週間に1回程度行い、その結果から自粛要請の有無を判断していくというのです。
新たな指標を設けた理由として、医療体制の確保が重要と話した小池知事。
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緊急事態宣言期間中及び東京都での感染者数最多を更新した4月17日時点では病床数2000床確保に対し入院患者数2679人とその数をオーバーしていました。ですが、6月30日時点では3300床に対し入院患者数264人と病床数には余裕があります。
とはいえ、新たな指標において目安の数値を設けないのは果たして得策と言えるのでしょうか?
新たな指標での経済対策やイベント開催は可能なのか
新たな指標を設けたのには医療体制の強化と共に経済活動とのバランスもあります。確かに、感染対策をするには経済対策もセットで考える必要はありますよね。
しかし実際問題、経済対策をする上で目安の数値を設けるのは難しいと思われます。だからこそ、新たな指標において目安の数値の公表を廃止したのでしょう。
ですが、数字を失くしてしまうと国民は状況を把握しにくくなってしまうのではないでしょうか?今がより注意した方がいい状況なのか否かがはっきりとわからなくなってしまうと思います。こうして、漠然とした不安も生まれてしまいますよね。
これは企業も一緒。コロナ化で初期から打撃を受けているのがイベント業界ですが、緊急事態宣言解除により少しずつエンタメ界も動き始めてきました。
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ところが再要請の目安となる数字を設けないことで、イベント業界はイベント開催に逆に踏み込めないのではないでしょうか。何故なら、万が一感染が大幅に拡大してしまった場合、東京都や政府がどう判断するか読めないからです。やれるかわからない、少なくとも安心して開催できるか明確でないイベントを予定するのはあまりにリスクが高すぎます。
この状況下でイベント業界がすべきこと。現状ではやはりイベントのオンライン化が無難でしょう。
イベントのオンライン化から十分に利益を得られるのならそこを大きく問題視する必要はありませんが、東京都は今後の経済対策をしっかりしていく必要がありそうですね。
コロナ対策と経済対策の両立は確かに簡単なことではありません。ですが、まだまだ課題はありそうです。