2020年4月、音楽ランキングの上位に突如現れた瑛人「香水」。
瑛人って、誰!?
ランキングを見てそう思われた方も多くいらっしゃったのではないでしょうか。音楽番組などに出演したわけでもありませんから上位にランクインしたことを不思議に思う方が出てくるのは無理ありません。
ですが2020年春、瑛人さんの「香水」が人気であるのは事実です。
そこで今回は、瑛人さんの「香水」が人気となったきっかけや理由を考察していきます。
切ない歌詞が印象的な瑛人「香水」
香水素敵な曲ですね~🎼✨
切ない歌詞ですがとても感動しました🎶🍀良かったです!— Rie (@rie93) May 20, 2020
「香水」きいたよ〜😭ちょっと切ない歌詞がいいし私の中でドルチェ&ガッバーナの香水=ジェシーくんになってるのでこれから聞く度にジェシーくんのことを思い出します😭これを勧めてきたジェシーくん本当にずるいよね!!(笑)#JESSEのズドンBLOG
— ♡ (@icchaooo_) May 11, 2020
瑛人さんは、22歳のシンガーソングライター。「香水」がデビュー曲となります。
なぜデビュー曲がいきなり注目を浴びたかというと、きっかけはTikTokでした。TikTokで「香水」を歌ってみた動画や歌詞をイラストにした動画、思い出写真を並べた動画など様々な動画が投稿され徐々に人気が出ていったのです。
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「香水」は別れた彼女のことを香水を通じて思い出すという切ない歌詞。忘れていたはずの彼女の存在を香水をきっかけに思い出すという切ない状況を具体的に描いている半面、心情も丁寧に描かれています。それが多くの人が共感でき、人気となったのでしょう。
歌詞の中で”別に君を求めてない”や”別に君をまた好きになる事なんて有り得ない”と言っています。ですが、ラストサビでは”君をまた好きになるくらい君はステキな人だよ”というフレーズが出てきます。
このことから前半に出てくる言葉は強がりであることが分かりますね。彼女とはもう別れたのだからと自分に言い聞かせていたのでしょう。
しかし、歌詞の最後は僕が振られるのだろうと復縁はないことを示唆して終わるところがなんとも切ないです。
ポイントは、この歌詞に出てくる主人公が一方的に元カノを思い出している状況ではないということです。サビの「横にいられると思い出す」という歌詞から、恐らく2人は実際に再会を果たしたのでしょう。つまり、お互いにやり直したい気持ちが全くなかったわけではないのだと思います。
にも関わらず、彼は自分たちは結ばれない運命にあることを察している。1度別れたからこそ分かる切ない歌詞ですよね。
ヒット曲には人気の理由がそれぞれあると思いますが、やはり普遍性のある歌詞というところが大きいと思います。最近ではヒゲダンやKing Gnuも人気ですが、それぞれ異なる個性はありつつも共感される楽曲を歌っているからこそ人気なのでしょう。
懐かしいメロディーも人気の理由か
切ない歌詞が印象的な「香水」ですが、サウンドもまた印象的です。
まずメロディーですが、素朴でどこか懐かしいメロディーですね。なんとなく尾崎豊さんを彷彿とさせるような日本人の琴線に触れるメロディーだと思います。
またサウンドもギター1本でとてもシンプルです。このシンプルなアレンジが素朴なメロディー、そして切ない歌詞をより引き立てているのではないでしょうか。これも人気の理由と思われます。
彼女への想いを「香水」に例えるという比喩的表現を用いてはいるものの、全体的にはストレートな言葉で紡いでおり奇をてらっていない歌詞。その歌詞を素朴で懐かしいメロディーとシンプルな弾き語りに載せているからこそ、より切なさが増しています。その切なさやシンプルさがどこか懐かしさを感じるんですよね。
前途したヒゲダンやKing Gnuの他にも近年では米津玄師さんやあいみょんさんなんかもブレイクしました。そこらへんの人気曲やヒット傾向をみてみると、いずれも懐かしさがあるように思います。米津玄師さんのメロディーには歌謡曲感然り、あいみょんさんもフォーク感然り。
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時代とともに流行する音楽も変化していきますが、時代って繰り返すものかもしれませんね。どれだけ新しいアーティストが出てきても、日本人の心に響くものはいつの時代も根本的には変わらないのかもしれません。